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交換留学プログラム

 

韓国留学を通して

 私が参加したキャンパスアジアプログラムでの韓国留学は、2月末から8月末までの半年間でした。そもそも、私がこの留学に参加したのは、韓国に一緒に留学をした友人がきっかけでした。昨年の夏、私は3週間の成均館短期語学研修に参加しました。そこで親しくなった友人が、今回のこの長期留学に行くことを決めました。私もずっと長期留学をしたい気持ちはありましたが、友人のおかげでその思いがより強いものに変わりました。決断するまでには、教育学部である自分が、専攻している分野と関連性のない韓国語を、留学してまで学ぶことに意味があるのかという葛藤もありました。将来に結びつかないと言われ、親とぶつかったこともありました。しかし、それでも大学生の今しかできない、とにかく学びたいという強い思いのまま突き進んでいた気がします。2年の前期の半年間の留学でなければ、4年では卒業できないということで、親とも話し合って半年の留学を決めました。

 岡山大学からはキャンパスアジアプログラムの第一期生として、私を含め5人が韓国の成均館大学に派遣されました。成均館大学では、主に語学堂での韓国語の授業と、専門の授業を受講しました。オリエンテーションがあるということで、2月27日に日本を発った私たちでしたが、オリエンテーションが延期になり、1か月間空白の時間を過ごすこととなりました。バタバタしながら来た私たちは、到着してからこのことを知り、「することが何もないのにどうやって過ごしていったらいいのだろう?日本にもっといることができたのに。」といった不満を口にしていたことを覚えています。

 私たちは、比較文化という学科に配属されたのですが、教育学部である私が、その科に所属するということにも少し驚きを感じました。振り返ってみると、私たちはキャンパスアジアからの留学がどういう目的のもとに置かれているのかを詳しく知りませんでした。そもそも、この留学を知ったのは、岡山大学での韓国語の授業の時間でした。韓国語を学べるいいチャンスだし、その上奨学金ももらえるといった内容で、語学を勉強しに行くとしか思っていませんでした。しかし、実際重きを置いているのは、語学ではなく、東アジアの理解を深めるための専門授業だと担当の先生から伺いました。東アジア全体を視野に入れ、貢献できる人材育成をめざすことが、この留学の目的であり、当初自分の想像していたようなものではありませんでした。

 韓国の学校は、新学期が3月から始まります。到着してすぐに専門の授業も始まっていたのですが、その授業を履修しなくてはいけないということも知らずにいました。このプログラムで履修が決められている専門授業があるということを知り、あたふたと履修登録をし、実際に受けることになった授業は、韓国人でも分からないという現代古典文学の授業でした。概要としては、日中韓の小説を読んでその比較をするといった授業です。授業内容の理解度はほぼゼロに近い状態で、ただ座って意味も分からない韓国語を聞いていることしかできませんでした。この時間は無駄じゃないのか、もっと自分たちのレベルに合った韓国語を聞き勉強している方が、よっぽど為になるのではないかと考えながら、毎週金曜日の3時間を過ごしていたように思います。そのような中でも、韓国の大学での授業風景が見られたこと、その環境の中で受講できたことが、私にとって刺激となりました。私が、一番驚いたことは、韓国の学生の授業に対する意欲です。席は前から埋まっていき、先生の問いかけに次々と発言する学生たちの姿を見て、日本とは少し違った生きた授業を体感したように思います。

 韓国語の授業は、朝の9時から昼の1時まで、文法と会話を2時間ずつといった授業構成でした。午後には、自由参加の特別授業として、文化体験をしたりドラマを見たり様々な授業が設けられています。筆記と会話のレベルテストを受けてクラスが決定され、私は6級(最上級)まであるうちの2級クラスでした。半年の留学で、私たちが正規課程の韓国語コースに通って韓国語を学べたのが、3月末から6月初めまでのこの1クール(10週間)だけでした。クラスには、日本や中国、インドネシア、フランス、スロバキアの方など、全部で13人いました。私は、一度短期研修を経験していたので、韓国語での授業にも少しは慣れていましたが、やはり初めのうちは、韓国語でのコミュニケーションはとても難しかったです。言いたいことがあっても、単語や文法がまだまだ足りなくて、すぐに言葉にすることができず、もどかしさを感じたことが何度もありました。しかし、その分韓国語によって自分の言いたいことが伝えられ、他の国の人と意思の疎通がはかれたときには、何よりも大きな喜びを感じることができました。その喜びが、励みとなったし、韓国語を学ぶことに対する意欲につながったと思います。言葉も文化もまったく違う国の人と、韓国語によって言葉を交わし、気持ちが通じ合えることに感動すると共に、言語はすごいなぁ、未知数だなぁと感じました。どんなに国が違っても、人はみんな根本の部分は同じなのだなと感じる瞬間が何度もありました。私のクラスは、お花見に行ったり、頻繁に集まってごはんを食べに行ったりするほど、特に仲の良いクラスでした。先生は、私たちのレベルに合った単語や文法を使って話してくれ、とても明るくておもしろい先生方ばかりです。朝早くからの授業はしんどかったけれど、先生やみんなの顔を見ると元気をもらえたし、毎日が本当に楽しかったです。

 1クール目が終了し、2クール目が始まる7月頃に、私たちは1か月間のISSプログラムに参加しました。このISSプログラムは、英語で専門の授業が行われ、世界各国からたくさんの人が自分の専攻分野を学びやってきます。私の英語の語学力は、授業を理解できるレベルまで到底達しておらず、受講は困難でした。私たちはその授業とは別に、ISSプログラムの中で開設されている韓国語の授業に参加しました。このままでは留学に来ていながら、韓国語に触れる機会が少なすぎると危機感を感じつつ、ちょっとでも韓国語を学びたいという思いでした。計6回の授業でしたが、ここでも大きな出会いがあり、英語と中国語が喋れる上に、韓国語を韓国人のように喋るオーストラリアの子と、英語、中国語、日本語が喋れるシンガポールの子と友達になりました。一緒にごはんに行ったり、旅行に行ったりする中で、この友達は私にたくさんのことを教えてくれました。韓国語の能力において刺激を受けたのはもちろんのこと、その行動力やコミュニケーション力も見習わなければならないと思いました。伝わらなかった時のことを気にして消極的になるのではなく、伝わらなかったとしても伝えようとすることが、いかに大切かということを感じることができました。また、今回の留学で、英語の大切さを強く感じました。様々な場面で英語の必要性を感じると共に、他の国に比べて英語を喋れない日本人の圧倒的な多さに、恥ずかしくも思いました。韓国語と並行して英語も真剣に勉強しようと思うきっかけとなりました。

 ISSプログラムが終わると、8月からは成均館大学で行われる短期語学研修プログラムに参加しました。私たちは、交換留学生として長期で学びに来ているのに、3週間の短期プログラムで学ぶことに、少し抵抗も感じました。しかし、正規コースでは経験することができない雰囲気を感じることができました。私の級は、短期コースの中では、上から2番目の級でした。周りの人は韓国語のレベルや意識がとても高く、正規コース以上に刺激を受けたように感じます。短期ということもあり、進むのは早かったけれど、その分授業に集中して真剣に取り組みました。文化体験では、韓式定食を食べたり、公演を見に行ったりなど、普段できない経験ができました。

 この半年間、休日は友達と買い物に行ったり、カフェで勉強したり、充実した時間を過ごしました。特に用事がなくても、韓国語に触れられるよう外に出て、道行く人の会話を聞いてみたりしました。街で聞く韓国人同士が喋っている韓国語は、私たち相手に分かりやすくではないので、やはり難しいです。しかし、授業で新たに習った単語や文法が聞こえてくると、自然と耳が反応して、意外と生活の中で使われているんだなぁと感じる瞬間が何度もありました。その単語や文法をちょっと分かっていることで、会話の内容をつかむ手掛かりにもなったし、聞き取れたことから、伸びや成果を感じました。実生活の中でよく使われているスラングは、韓国人の友達と喋ったり、ドラマを見たりして勉強しました。このスラングは、韓国に来てみなくては、なかなか知ることができなかったと思います。ドラマは、来た当初は字幕付きで見ていましたが、たまたま見たかったドラマの字幕付き動画がなく、字幕なしに挑戦しました。見てみると、思ったより聞き取れるようになっていることに感動し、3か月目ほどでドラマは字幕なしで見始めるようになりました。ドラマ中によく聞こえてくる言葉があったり、分からない言葉があったりしたら、インターネットで調べて語彙を増やしていきました。聞こえてくるままの音をカタカナで打ち、「○○○ 韓国語」で検索すると、意外と簡単に意味を知れることもありました。字幕があるとやはり字幕を見てしまいますが、字幕がないと聞くことに集中でき、リスニング力が伸びている実感がありました。さらに、韓国語の吸収の違いも感じました。留学前には、やっと覚えたと思った単語もしばらくたったら忘れてしまっていたけれど、韓国では、自然と吸収されていく感じがしました。単語などを覚えるのにそれほど苦労した覚えがなく、韓国語の感覚が少しついてきたのかなとも思います。

 奨学金は、月80万ウォンでした。この中から、寮の代金は払います。初めの2か月間の奨学金は後からまとめて支給されたため、10万円弱ほどウォンに換金しました。その後は、すべて奨学金で賄うことができました。あまり自炊もせず外食が多かったですが、韓国は日本に比べて物価が安いため、作るより安く済む場合もあると思います。私の場合、釜山に2回、済州島に1回、束草に1回旅行にも行きました。せっかく韓国にいるので、自費になったとしても、色々な場所に行ってみるのがおすすめです。地方では、ソウルとは違った韓国の様々な表情が見られます。人の良さにもたくさん触れることができたし、自然も感じることができ、またとない経験となりました。

 そして、韓国で出会った人たちは、一生忘れることができません。私が留学に行って一番よかったと感じることは、友達や先生との出会いです。日本にいては触れ合うことの難しい他国の人と、韓国語を通じて親しくなれたことは、私にとってとても貴重な経験でした。半年間、韓国で暮らしながらその土地の文化・伝統を学べるのはもちろんのことですが、外国人の友達との交流を通して、世界の文化を感じ、他国への関心も高まりました。そして何より、異国の地で分からないことだらけの中、こんなにも充実した留学生活を送ることができたのは、韓国人の友達の助けがあったからです。いつも親身になって私たちのことを気にかけてくれる友達や、一緒に遊んでくれる友達、本当に人に恵まれ、やり遂げることができた留学です。楽しいこともつらいことも一緒に経験した5人の留学仲間も、私の中でこれからもずっと大切な存在でしょう。今回の留学では、語学や文化・伝統を学べたこと以上に、この人との出会いが、私にとって大きな財産となったように思います。

 まだ一回目のキャンパスアジアプログラムは課題も多く、留学中困ったことや不安に思ったこともありました。しかし、留学を終えた今、全体を振り返ってみると、私はこのプログラムに参加して本当によかったなと思います。前より自分に自信がついたし、物事を前向きにとらえられるようになりました。そして、世界に対する視野も広がり、韓国についても他の国についても日本についても、もっと知りたい勉強したいと思い、ちょっとしたことですが行動にうつしています。やっとコミュニケーションがとれるようになり楽しい時期だったので、半年での帰国は残念でしたが、その半年間でも私にとっては十分な多くのものを得ることができました。この留学は、私にとって、文章では書き尽くせない、一生忘れることのできない経験となりました。これから先、韓国語に触れる機会を絶やさず、自分から積極的に活動していきたいです。

 

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