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尖閣諸島問題による中国経済への影響

 2012年9月11日に日本政府が尖閣諸島の国有化を発表してから中国では反日デモや日本製品の不買いが行われました。ニュースでは日本側の損失がよく取り上げられています。しかし今や日本と中国は経済活動上結びつきの強い取引相手です。これらの動きは中国側にも影響を及ぼしているはずです。今回私は尖閣諸島問題が中国の経済に及ぼした影響について調べました。

 このグラフを見てください、中国にとって日本は最大の輸入先で、2011年の輸入額は1946億ドルです。輸出先として日本は第3位で1483億ドル、これは総輸出額の7.8%を占めています。したがって、日中両国は今やお互いにとって欠かせない取引先であるといえます。

 中国側への影響として主に考えられるものは4つです。「1.中国国内の産業発展2.中国の小売店などへの影響、3.対中投資の減少、4.日系企業の中国からの撤退」。

 1について。日本製品の不買いをしても、消費者の需要には変化がありません、つまり日本製品が売れなくなればその分国産製品は売れるでしょう。さらに消費は生産を刺激するので、国産製品は不買いによって技術革新を迎えるかもしれません。

 2について。先ほど説明したように、日本製自動車の販売台数は大きく減少しました。そのとき小売業者はメーカーにすでにお金を払ってそれらの車を購入していますから、当然大きな損失を受けることになります。

 3について。これは、中国への直接投資額を国・地域別に表したものです。2011年、日本が中国へ行った直接投資は63億ドルで、これはアメリカの2倍、ドイツの6倍です。香港と台湾を除いて最大の外資源です。しかしながら尖閣諸島問題が過熱化した2012年10月、日本からの投資は前年同月比32.4%減少の4.59億ドルと大幅に減少しました。さらに、中国のコスト増加も、日本企業の投資先変更の主因のひとつです。ボストン・コンサルティングによると、中国の人件費はアジア7か国を上回っており、このうちベトナムの人件費は中国を15-30%、インドネシアは40%下回ります。人件費が最も低いバングラディシュは、なんと中国の5分の1です。この影響を受け、日本の2012年7-8月の対東南アジア投資額は1800億円に達しています。これは対中国投資額の1500億円を上回っています。

 4について。ロイター通信の調査によると、尖閣諸島問題が悪化を続けるという判断から、日本企業の41%が中国から撤退し、その他の国と地域に事業を移転することを考えているそうです。かつては安い賃金で知られ、「世界の工場」だった中国も、ここ数年は経済成長が著しく、人件費が上昇・暴動などのチャイナ・リスクが高まっており、ベトナムやバングラディシュなど、生産コストが安い国に拠点を移す動きが進んでいます。

 これらのことからわかるように、中国にとっても日本はかなり重要な貿易相手で、無視できない存在です。中国は政治上の問題を経済的な圧力によって動かそうとしていますが、これは良い策とは言えません。

 では今後、両国はどうしていくべきなのか。まず両国ともに冷静に問題に対応し、相手を挑発するような行動は慎むべきです。政治活動とその他の活動は別物だと考えるべきです。中国は、経済発展が凄まじい国です。ですが、永遠に今のような発展は続けられません。ですから、成長の減速をなだらかなものにし、経済を高い水準で安定させることが重要でしょう。政府や国民は冷静に物事を見る力を養う必要があります。日本にとっては中国をどれだけ重要視しているかを中国政府と国民に分かってもらう努力をすることで、強行策は取るべきではありません。そして中国への依存度を減らすことです。具体的には製造業の拠点を中国から徐々に移転し、チャイナ・リスクに備えるべきでしょう。

 留学に来てみて、一個人である自分には今何ができるのか?ということを考えることが多くなりました。私が思うに、日中はお互いに理解不足で、相手のことを誤解している面があります。それが更なる対立を招いているのです。私も実際に中国に来るまでは中国には非道で乱暴な国民が多数だと勘違いしていましたし、これは中国人にも同じことが言えます。中国人の友人らに話を聞くと、幼いころから戦争の映画やドラマを見てきたといいます。悪役は当然日本人です。そして日本人は最低な民族だ、と刷り込まれてしまいます。しかし実際に接してみると、礼儀正しくて相手を尊重する人が多い。だから日本の歴史は嫌いだけど、今の日本人は嫌いじゃない、そういう人も少なくないようです。日中は政治の面ではまだまだ多くの問題を抱えていますが、お互いの誤解を解くためにも民間の交流はより力を入れるべきです。尖閣諸島問題は両国の情勢を第一に考え、結びつきを強めることがかなり重要です。一刻も早い日中関係の改善を望みます。

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