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中国が抱える社会問題「啃老族」とは

1、はじめに

 皆さん、留学お疲れ様でした。私は岡山大学法学部三回生福本和真と申します。去年の2月から今年の1月まで中国吉林大学に留学し、前期は語学のみを、後期は語学と法学を学んできました。留学を終えた皆さんとこのような形で再会し、また留学の成果を発表し合えることを嬉しく思います。私の発表する内容は、中国の社会問題を1つとりあげ、それを自分なりに考察し、解決策を考えるといったものです。他にも色々と取り上げたいことはありましたが、時間制限があるということなので、1つに絞って発表させていただきます。

2、中国経済の発展の裏

 皆さんも知ってのとおり中国の経済成長は目覚ましく、今では日本のGDPよりも上となっています。物価も日本より安く、物にもよりますが、日本の3分の1くらいです。近年では物価は上昇傾向にあり、これからもさらに物価が上がっていくものだと思われます。ここで少し中国人の月収について説明しておきます。もちろん職種にもよりますが、大学卒の初任給は3000元、日本円換算だと4万円くらいです。日本の大学卒の初任給は18万円~20万円ほどですから、いくら物価の差があるとはいえ、ここまで月収に差があると、生活が大変であることがわかります。とりわけ、家の価格が急上昇し自分の力だけでは家が買えず親に頼るといった社会現象が増えてきているのが現状です。この、親に頼って家を買うことを中国語で「啃老族」といいます。また、仕事もせずに親に頼りっぱなしの生活を送ることもまた「啃老族」といいます。日本語でいうところのパラサイト・シングルです。

3、啃老族の諸問題

 啃老族どこが問題なのか自分なりに考えてみましたが、一点気づいたことがありました。中国では現在一人っ子政策によって、特別な状況を除き一世帯の子供は一人までと決まっています。なぜこの政策を用いるかと言えば、人口を抑えるためです。では、仮に中国の人口が減少したところで必ず発生するのは日本を見ての通り少子高齢化です。政策の名の通り、一人っ子ですから、親二人に対し子供一人なわけです。その子供が成人してからも親に頼りっぱなしの生活をしていて、その親が退職し老後を迎える頃に、子供、親ともに十分な貯蓄があるのでしょうか?親は子の為に家のローンを組み、子は親に頼りっぱなしなのでもちろん親を養うほどの財力があるかないかと言われれば、ないでしょう。つまりは、この啃老族という社会問題をなんとかして解決しなければ、将来少子高齢化を迎えたときに、高齢者の支え手であるはずの若い世代の人間が、莫大な数の高齢者支えきれないという現象が発生しかねないということです。

4、解決策

 ではどうやってこの問題を解決するかですが、やはり一番は所得を増やすことが大事だと思います。日本の歴史を振り返ってみると、1960年、池田隼人内閣の下で閣議決定された「所得倍増計画」。結果、日本は稀に見る経済成長を達成し、所得はたった7年で倍にまで到達しました。また、共産勢力の拡大も抑制でき、資本主義大国の基礎を築き上げたわけです。つまり今の日本は元を辿れば池田隼人のこの「所得倍増計画」によって、安定を得たわけです。国民が豊かでなければ、国の安寧も維持できないのではないかと私は思います。もう一方で、賃金の上昇率よりも物件の価格の上昇率が高くなるのをなんとかして抑えることも大事だと思います。それに加えて、福祉国家の実現です。高齢化が進んでしまう以上、誰かがその高齢者を支えなければいけないわけです。若い世代にその財力がないのであれば、必然と社会保障制度の充実が求められます。日本では社会保障制度について国民も合わせて真剣に取り組んでいる問題ですが、中国ではまだ完全とはいえない社会保障制度だと思います。これら三つは、全て中国政府が積極的に介入して政策を施さなければ永遠に解決できない問題でしょう。

 以上で、私の発表を終わります。最後までご清聴ありがとうございました。

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