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2014CA中韓留学体験ワークショップレポート

 食文化の国である中国。ビールの消費量世界一である中国。青島ビールは中国で最古のビールである。青島ビールは現在世界的にも有名でるが、その誕生にはドイツ占領が深く関わっていた。青島が1898年よりドイツの租借地となり、租借地の産業振興に向けてビール生産の技術移転を行なったのが始まりであり、その後、1903年にドイツの投資家がビール醸造 技術を利用して、ドイツ式のビール製 造工場の操業を開始した。青島は 1897年から30年以上にもわたる間、ドイツと日本の占領下にあった。そのため、今でも街路樹が続く住宅街の随所にヨーロッパの面影を残していた。必ずしも洗練された街並みではないが、ヨーロッパの素朴さを残した まま時を刻んだ、どこか落ち着いた雰 囲気があった。「 青島では近年の人口増加と経済の発展により、高層ビルやマンショ ンの建設がすすんでいて、海 に囲まれ、高層ビルと赤レンガのヨー ロッパ建築の家々が共存する風景は、 中国のどの地域でもなかなか見ることができない絶景です。」とガイドさんは言っていたが確かにそうで、自分が想像していた中国の街並みとかけ離れていて、この国土が広大な中国では、街の特徴は、その土地の歴史的背景や風土により様々であることを感じた。

 UNIQLOのジーンズ生産工場では、広大な空間で多くの人が等間隔にいてたんたんと作業をしており、あのような光景は初めてで、今の日本では見られないだろう。あれほど多くの女性の労働力は日本にはないからだ。日本と異なり、中国では結婚後、出産後も社会復帰することが当たり前らしい。実際、視察した工場でも若い女性よりも中年女性を多く目にした。中国のユニクロ工場では私の予想を反して、育児休暇制度もあり、労働条件や労働時間を厳しく管理していた。私のイメージ、固定観念では日本で売られているMADE IN CHINA製品の低価格の理由のひとつは、中国の工場で低賃金かつ厳しい労働環境だと思っていたので驚きで、また最低賃金も年々上昇しているとのことだ。ベトナムやインドネシアといった第三国は中国よりも賃金は低いのにもかかわらず今でもなお、中国でこのかたちをとっているのはなぜか。日本と中国は距離が近く、納期が読めることも理由のひとつであるが、大事な一番の理由としては安定性があげられる。これまで培ったノウハウ、技術力の高さ、効率に視点をおくと、第三国よりも中国が断然勝っていて、信頼性がある。また、中国人は日本人よりも勉強家、勤勉家、努力家であり、仕事に対しても吸収、覚えがよく、真面目な人ほど成長が早い。日本は中国を信用し、信頼関係にあるのだ。

 今現在、反日問題を乗り越えて、イオングループは中国で営業を成功させていて、大きな売り上げを残している。オープン当初、2~3千人による反日デモが起こり、イオンは営業不可能になるほど、壊滅状態にあった。現在では、公安との連携、情報の早期入手により、デモの再発防止にあたっている。いちば市場が根強く、6割を占めている中国ではトップバリューといったオープンプライス商品の価格戦略は弱いため、イオンは安全性、品質、衛生、接客などのサービス面で他店と勝負している。中国といえば環境問題が気になるが、中国のイオンでも、近隣清掃、イエローレシートキャンペーン、万里の長城に木を植えたりして、ボランティア活動や環境問題への取り組みも活発に行われている。今、中国では物価も地代も上昇している。経済成長は伸びているものの、2011年以降、鈍化傾向にある。そして中国の問題としては、地域格差、所得格差があげられるだろう。地域格差により、地域によってお客様の質が異なるために、店と商品の質も変わってくる。また中国では、たった5%の人が、中国人全所得の95%を所有しているというほど、所得の格差が甚だしい。そして中国国内で、同じ国であるにもかかわらず、省によって、市によって、区によって、法律の見解が統一されていないため混乱、問題発生することが多い。中国は統一された多民族国家であるため、必然的なことではあるが、方言が多く、同じ中国人の会話でも成り立たないことがしばしばらしい。経済もある程度発展した中国。今後は経済発展ばかりではなく、国全体が環境問題や貧富の差といった重要な国内問題の解決に力を置くべきだ。

 中国海洋大学での学生交流は私がこの企画で最も楽しみにしていた。とても日本語が流ちょうで、尊敬し、自分たちが訪れている側なのに中国語が一言も話せず、恥を感じた。日本では中国の芸能は全く人気ではないのに対して、中国では半沢直樹をはじめとして日本のアニメやドラマが人気だという。「倍返しだ」を中国語であらかじめ調べていたので使ってみると喜んでくれた。中国の学生から日本を良く思っていることがとても伝わった。しかし国家間で見てみると尖閣諸島問題など日中関係は良いとは言い切れない。そこである学生の発言が印象深い。「国は国、政治は政治、国民は国民である。いま、それほど反日感情は抱いていない。」と。お互いに理解しあうこと、尊重しあうことが最も大切だ。中日友好を掲げている中国人は多くいるのにもかかわらず、多くの日本人、特に若者は日中関係に無関心であるという現実を悲しく思う。対話した学生のうちの一人が、金銭的などが理由で断念していると言っていた。もっとよりよく日中間の留学制度を見直し、改善するべきだ。留学、また今回のワークショップは時代、規模は違えども、かつて平和的友好におおいに貢献した朝鮮通信使と同じものだと考える。

 今まで以上に交流を深めることで、日中韓ともに生きていける東アジアを作り出せるのではないか。

 お互いを知るために、重要な役割を果たすものがマスメディアである。近頃、日本で中国に関するニュースが流れるとしたら事件といった悪い内容ばかりだ。このことが原因で多くの日本人が中国に対してネガティブ感情を抱いたり、固定観念をもたせるのであろう。一人一人が情報の正しい判断能力を養うことも確かに大切であるが、国全体が、マスメディアが、中国の良い内容のニュースであったり、文化や歴史など触れるようにすべきだ。そうすることで日本国民、一人一人の意識も変わってくるだろう。

 中国と韓国の歴史は日本ぬきにしては語れないほど関係している。確かに日本、中国、韓国は過去に多くの戦争をしてきた。日本を憎んでいる人もいなくはない。しかし共生への道のために重要なことは、良いことも悪いことも認め、尊重しあい、過去にとらわれすぎず、過去の悪いことも乗り越え、未来志向になることだ。

 このワークショップで普通の旅行では決して経験できないことを経験した。今まで日中韓のことなど考えたことなく、初めて感じることばかりで、真剣に考えることができた。視野が広がり、自分の成長につながった。また、言語を勉強することの重要性を実感した。岡山大学に留学にきている学生たちと交流を深めていきたい。

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