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2014CA中韓留学体験レポート

 このワークショップを通して、日本にいるだけでは学べないことをたくさん学ぶことができました。しかし、日中韓の共通善については自分の中でもなかなか答えが出なかったので、活動を通じて学んだことをまとめながら自分なりに解釈したいと思います。

 中国、韓国での学生交流を通して共通して感じたことは、中韓の人々が“日本人を嫌っている”というのは誤った認識である、ということです。中韓どちらの学生も私たちに優しくしてくれましたし、日本のドラマや漫画、文化が好きだと言ってくれました。日本語を学んでいる方が集まっていたから、というのもありますが、中国の学生の方に、日本に留学することについて家族は反対しないのか、という質問をすると、賛成していますという返事が返ってきたので、余程反日でない限り一般的な人は日本を嫌っていないのではないかと思いました。韓国の方の話では、日本に留学するときに母親に“韓国人だとばれないように、外で韓国語を話さないように”と言われたそうで、日韓ではお互いが嫌われていると思いあっていて、実状と違うのですごくもったいないと思いました。実際に話すまでは、中韓の方はほとんどの人が日本を嫌っていると思っていたので、このワークショップで一番認識が変わったことでした。しかし、中韓で考え方に少し違いがありました。中国では、日本の歴史に興味のない学生さんもいましたし、日本人の嫌いなところを聞いても思いつかないと言う方もいました。しかし、韓国では「日本人そのものは好きだが、歴史や政治については嫌いだ。歴史においては許せないこともあるし、日本の政治は問題があると思う。日本の若者が自国の政治に興味がないのも理解できない。」という意見でした。これについては、韓国における歴史教育に理由があると思うので、後述したいと思います。

 また、中韓の企業訪問で共通して感じたことは、ビジネスにおいて反日感情は関係ないということです。中国でユニクロのジーンズを生産している綺麗集団の社長や日本人として中国で働いている林さんに質問する時間がありましたが、お二人が口をそろえておっしゃっていました。また、私たちが日中関係の悪化がビジネスに与えた影響について質問しているとき、お二人とも微笑みながら聞いてくださっていた様子からも、良い意味であまり深刻に考えてらっしゃらないんだということが伝わってきました。反日デモで襲撃されたイオンの別の店舗の社長さんからのお話では、デモの後も日中の従業員間では表面的には問題ないということでした。また、デモ後にイオンへの来客率が8割に減ってしまったことについては、政治的問題が原因だから仕方ないという考え方ではなく、“今までイオンでしか買い物をしたことのないお客様が、デモを機に他のショッピングモールを利用してみたらそちらの方が良かったとういだけで、反日感情はもう関係ないけれど戻ってきてくれないのだ。”という考え方をしていらして、それまでの私には思いつかない考え方でしたが納得しました。イオンでの質問時間でもうひとつとても印象に残っている事は、社長さんが“デモはもう起きない。企業が営業できなくなるようなデモが起きたのは中国にとって恥であり、区のトップが辞任するほどの事態だ。”とおっしゃっていたことです。日本での報道で、中国政府が国民に給料を払ってまでデモを起こさせたと聞いたことがあったのでとても驚きましたし、報道を鵜呑みにしてはいけないなと強く思いました。

 次に、歴史について学んだことについて書こうと思います。青島では、日本との歴史よりはドイツとの歴史をより深く感じました。ドイツの植民地であったという悲しい歴史を持ちながらも、ドイツから技術を得て作られている青島ビールは青島の人々の生活に浸透しており、経済面でも文化的面でも欠かせないものになっているようでした。また、青島の街並みがヨーロッパ風であることからも歴史が与える影響を深く感じました。釜山では、釜山近代歴史館、釜山博物館、忠烈祠をなどから、日本との歴史が重視され、歴史教育にもかなり力を入れていることがわかりました。特に従軍慰安婦問題については様々な取り上げ方がしてありましたし、博物館で解説をしている方は“日本人が歴史に対する十分な認識もなしに従軍慰安婦について語るのが我慢できない。”と震える声でおっしゃっていました。また、忠烈祠の博物館では戦国時代に豊臣軍が朝鮮を攻めたことについて展示してあり、何百年も昔のことであったとしても韓国の方は心の中に自国が傷つけられたという歴史を抱えているんだと思いました。韓国で歴史について学んで、自分が歴史についてどれだけ知識不足だったか、無関心であったかに気付かされました。それと共に、韓国の歴史教育について少し不信感を抱きました。従軍慰安婦問題や、第二次世界大戦中に韓国で無理やり日本人としての教育をさせた歴史は確かにありますし、日本人としても考えていかなければならない問題だと思います。しかし、どの博物館にも日本との友好な歴史についての展示を見ませんでした。唯一、東義大学で朝鮮通信使が講義で説明されましたが、それも“この時代は日本と朝鮮を行き来することにかなり危険が伴ったのに日本が無理矢理派遣させた”というニュアンスでした。日韓には悲しい歴史が多いけれど、明るい歴史もあると思います。また、第二次世界大戦中に関する資料にも認識のズレや誤解が含まれているかも知れないと思いました。しかし、私が歴史に関してあまりにも知識が少なすぎるので反論すら出来ませんでした。この悔しさから、歴史をもっと学ばなければいけないと強く感じました。日中韓共通教科書をつくる意義も、こういうところからきているのではないかと思いました。

 最後に、中韓と日本の文化や学生の違いについて書きます。中韓通して思ったことのひとつは、学生が日本人よりはるかに勉強熱心なところです。韓国は学歴社会が影響しているし、中国では高校に進学できる人数が中学生の半数であると知って、日本とは違いかなり厳しい世界であることが原因だと思いました。日本の学生もこのままでは置いて行かれる、と危機感を感じました。もうひとつは、日本よりも公共施設が整備されていないことです。韓国は日本とほとんど同じで違いはトイレくらいかと思いましたが、中国はボロボロの建物が数多く見られたりトイレに紙がおいてありませんでした。また、中国に関しては文化の違いがかなり多く、交通ルールは日本と全然違っていて戸惑いましたし、茶芸体験でも日本のお茶のイメージとかなり違っていました。また、スリやコピー商品が多いことも違いだと思いました。逆に、日中韓すべて箸を使って食べることや漢字の文化、韓国ではお茶の文化など共通の文化もありました。中国海洋大学の教授がおっしゃっていたように、違う文化でも否定するのではなく、一度受けいれることが大事だと思いました。

 ワークショップを通して、日韓と日本との違いはもちろん、チーム別のプレゼンなどから日本人同士でも考え方がかなり違うひとがいることに改めて気づきました。同じ文化で暮らしている人とも意見の違いが生まれるのだから、国が違えば意見が違うのはいたってふつうのことで、それぞれの意見を否定するのではなく、意見の違いはどこから生まれたのかを理解したり、自分の意見を伝えようとすることが大事なのではないかと思いました。

 このような体験を通して、共通善とは、個人個人のつながりだと思いました。ここでいう個人とは中国人と日本人、日本人と韓国人、韓国人と中国人のことです。お互いに一人の人として話していると、中国人も韓国人も日本人も人間的な差はそこまでない気がしました。しかし、報道などでしかお互いの国について知る機会がないため誤解が生まれていると思いました。国として理解しあおうとすれば経済的、政治的な利害関係が邪魔してしまうけど、個人として理解することはできると思います。全国民が個人として接するのはかなり無理があるけれど、お互いを知ろうとする人が増え、その人が周囲のひとに発信すれば、報道や偏った考え方に惑わされる人が少なくなると思います。私も、このワークショップに参加した一人として周囲に発信していこうと思います。

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