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2014CA中韓留学体験ワークショップレポート

 私はこのワークショップに参加し中国・韓国へ行くにあたって、現地の人の反日感情の有無や日本との国家間の問題についての考えを知りたいと思っていた。約一週間の中で、これらのこと、またそれ以外の様々なことについても知り、学ぶことができた。

 中国の青島、また青島へ向かうフェリーの中でまず感じたことは、日本人と中国人の国民性の違いである。フェリーの中では、中国人の方が廊下に座り込んでパソコンを使っていたり、ロビーでラジコンをしていたり、日本ではあまり見られない光景だったので驚いた。しかしほかの中国人の方は驚いている様子もなかった。また茶芸体験ではお茶やお湯がこぼれても全く気にしておらず、これも日本ではほぼありえないことで驚いたが、これらのことから、中国人は日本人に比べて細かいことや周りの目・考えを気にしないのではないかと感じた。逆に中国の人たちもこの国民性の違いについては感じているようだった。中国海洋大学での学生交流の際に、現地の学生達に日本人のイメージを尋ねると、几帳面、という回答があった。この「几帳面」は良い意味でもあり、悪い意味でもある。日本人に比べ大雑把ともいえる中国人は、日本人を几帳面すぎる、神経質すぎると感じるのかもしれない。日本人と中国人が友好的な関係を築いていくにあたり、それぞれの文化や習慣のほか、このような国民性の違いも知っておくことが大事なのではないか、と思った。

 また中国の企業の産休・育休等の福利厚生の充実に驚いた。中国は人件費が安い、というイメージが強く、福利厚生は日本に比べ不十分だと思い込んでいた。実際は女性が出産後も仕事を続けられるよう支援がされている。しかし、まだ十分ではないように感じた。UNIQLOの商品を作っている工場では、5か月の産休の後1年間、1日に1時間授乳の時間が与えられる、ということだったが、日本では出産後1年間の育児休暇をとることができる。私は出産の経験がないため5か月という期間が短いのかどうかわからないが、その後も授乳が必要であること、また設けられた授乳時間が1日1時間であることを考えると、もう少し長い期間の休暇があったほうが良いのではないかと感じた。一方日本では、出産・育児休暇をもらえず退社に追い込まれるケースもあると聞いたことがある。どちらの国にも長所・短所があり、それぞれの長所を取り入れていくことでそれぞれの企業や国がよりよくなっていくのだろうと思う。

 中国といえば、最近はPM2.5について騒がれている。以前、中国は自国の経済発展のために、環境汚染があったとしても発展の妨げになりうる対策は講じない、と聞いたことがあった。私は中国が今でも環境汚染を気にせず排水や排気などの制限を行っていないのだろうと思っていた。しかし現在は排水等に対し厳しく制限されていると聞き、中国の環境問題がこれから解決されていくことを期待し、また、自分の持っている中国に関する知識の不確かさを実感した。中国は急速な発展を遂げているため、数年前までは正しかった知識も今では正しくない場合もあるのだろうと感じた。

 反日感情はニュースなどメディアの情報から、中国人のうち多くの人たちが抱いているのだと思っていた。しかし実際はそうではなく友好的な関係を築きたいという思いもあるということが、自分の目で見たことや中国海洋大学の日本語学科長の講義からわかった。私がこのような思い違いをしていたのはメディアの情報を鵜呑みにし、中国という国や中国人について正しく知らなかったためである。このような人はほかにも多くいるのではないかと思う。これをきっかけに自分の目で見て確かめることの重要さを感じた。しかし、国について「自分で見る」ためには現地に行く、交流する、といったことが必要となり、ほとんどの人にとって難しい。そのため、自分たち自身がメディアの情報の信頼性を判断すること、また私たちのように現地を実際に見た人がほかの人に伝えることが必要になると考える。

 韓国について強く感じたことは、日本との類似性と歴史や政治に対する考え方の違いである。釜山は町並みや道路、また人の性格が日本とよく似ており、また、博物館で展示されていた昔の町並みも日本の昔の町並みに似ていた。さらに茶芸も、中国の茶芸に比べ日本の茶道に似ており、昔から韓国(朝鮮)と日本は歴史的に関係が深かったこと、日本による植民地支配が行われていたことが影響しているのだろうか、と思った。

 今回訪れた釜山は韓国や朝鮮半島の中でも日本と歴史的な関係の深い土地ではあるが、予想以上に多くの歴史に関する建物、施設、銅像などがあった。またその中で文禄・慶長の役など日本韓国間の出来事に関するものがとても多く驚いた。それだけ歴史的に日本と韓国は関わりが深いということであり、また韓国人の歴史への関心の高さにも関係していると思う。日本にも太平洋戦争に関わる施設はいくつかあるが、一つの地域に一つ程度で韓国に比べ少ない印象があり、韓国では文禄・慶長の役での死者が祀られたところがあるのに対し、日本では太平洋戦争以前の戦争や戦国時代ごろの戦いに関連した施設はあまり聞いたことが無い。このような歴史に対する考え方の違いが、韓国と日本の間での問題の原因の一つかもしれない。

 韓国と日本の間の問題のひとつに慰安婦問題がある。最近政治家の失言等により、よくニュースなどで取り上げられていた。しかし私は、慰安婦とはどのような人たちなのか、どうして慰安婦が問題といわれるのかなど、ほとんどのことを知らなかった。釜山で近代歴史博物館を訪れそれらのことを知ったとき、この問題の重要性、どうして慰安婦に関する日本の政治家の発言で韓国人が気分を害してしまうのか、といったことがわかった。またこれまでこの問題について知識がなかったことが恥ずかしかった。慰安婦といわれる人たちが朝鮮半島から日本軍によって無理やり連れてこられた女性たちであったことも知らなかった。女性をこんな風にまるで物のように扱うこと自体許しがたいことであり、自国のために他国の女性を深く傷つけたということは本当にひどいことだと感じた。慰安婦として派遣され、心に深く傷を負っていた女性たちにとって、日本の政治家によるこれまでの失言は、その傷をさらにえぐるものだったのではないかと思う。また韓国の人たちは慰安婦のほかにも徴兵や強制労働などが日本によって行われ、多くの人が亡くなった。自国ではなく、他国の戦争のために家族や友人を亡くした人の気持ちを考えると、日本の政治家による靖国神社参拝に反対する気持ちが少しではあるが理解できた。

 歴史のほかに、政治に関しても日本人と韓国人では異なっている。日本では国民の政治に対する関心の無さや選挙の投票率の低さが問題となっているが、韓国では若い人も政治に関心を持っているという印象を受けた。私はまだ選挙権をもっておらず、日本人が政治に無関心なことを少し他人事のように思っていた。東義大学での学生交流の際に現地の学生から、日本人の政治への関心のなさについて指摘があり、改めて考えると、私自身も政治にあまり関心が無く、また政治に関する知識も少ないことに気付いた。先に政治家による失言について述べているが、そのような政治家を国民の代表として選んでいるのは私たち国民である。選挙権の有無に関係なく自分の国の政治に関心を持ち、そして知り、自分が本当に信頼できる政治家を選ぶことの大切さを感じた。

 韓国人の反日感情はないとは言えないが、予想していたものとは異なっていた。私は反日感情というと、日本という国、また日本人に対する反感、と考えていたが、韓国人は日本人個人個人というよりも、日本国家や政治家に対して反感を持っていた。また韓国人の中には、日本人が韓国人に対しよくない感情を持っている、と思っている人がいると聞き、とても驚いた。お互いが自分たちに対する相手の感情を勘違いしているのには、国家間の問題が多いこと、また中国同様その国についてメディアからの情報にたよっているからであると考えられる。お互いをより知ることが友好的な関係を築くうえで欠かせないのかもしれないと感じた。

 この中国・韓国でのワークショップを通して、自分がどれほどその国について知らなかったか、思い違いをしていたか、またどれほど自分の国である日本について知らないか、ということを痛感した。約一週間の間、反日感情など自分が知りたいと思っていたことについて考えながら、キャンパスアジアのキーワードである「共通善」について考えていた。共通善とは何なのか、まだ最適と思えるものはみつかっていないが、このワークショップの中で学んだことから考えると、三国にとって良いのは三国が友好的な関係を築くことであり、そのためには交流すること、そして知ることが重要なのではないかと思う。お互いのことをよく知らずに友好的な関係を築くは難しく、それが現在の状況であるともいえる。お互いについて知らないために、メディアの情報に頼りきりになり、時には誤った情報や偏った情報を信じ、それぞれの国の国民がお互いについて勘違いしてしまっている。交流することでその国、その人たちについて、自分自身で知ることができる。交流といっても一般の人にとっては難しいだろう。しかしそのような人でも書籍やインターネットを利用してその国について、歴史などを知ることはできる。また私たち大学生が現地で交流したり留学生と交流したりし、そこから学んだことをSNSなどを通じ発信していくことで、そのような機会がない人にもより多くのことを知ってもらうことができる。

 日本と中国・韓国の間には多くの問題があり、友好的な関係にはなれないのだろうか、と思っていたが、まだ希望はあること、また小さいことかもしれないが私たちにもできることがあるとわかった。これからこの三つの国についてさらに知識を深め、自分にできることを考えていきたい。

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