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セミナー・ワークショップ

 

「common good 共通善」

 私は今回のワークショップのテーマである「共通善」という言葉を初めて聞いた時、共通点または共通して善いことと文字通りに解釈した。しかしながら、荒木岡山大学副学長の東アジアの共通善を実現する、深い教養に裏打ちされた中核的人材育成の冊子の中では、もっとも重要な意味は、個人の利益と共同社会の共通利益の同時追求、バランスを保った追及、すなわち正義の追及を意味していたと書かれている。このように見ていくと、共通善というものは、分かりにくく、とても抽象的なものだと考えられる。共通善とは何か?相互理解のために、私たちには何ができるのか?という課題を持って、このワークショップに参加した。

 行きのフェリーの中で、私は初めて中国の青島について知った。ドイツの植民地であったため、ドイツの影響を受け、いまなお残っているということだけではなく、日本も青島を占領していた時代があり、青島とは17Cや18Cのころから、根強い関係があるということ、中国の主要な港湾都市であり、貿易に適しているため、古くから他国に狙われる場所であったことなど。このように、日本と関連があるからこそ、訪れる意味がある。青島について少し学習したうえで、実際に青島に訪れてみて、日本にいただけでは味わえないものを感じた。まず、青島市街見学について言うと、青島ビール工場では、科学技術が今日ほど発達していなかった頃の人々の苦労を模型の人間・機械などを通じて知ることができたし、ドイツの影響を受けたという青島におけるビールの歴史について学んだ。次の小魚山公園では、青島を一望し、赤レンガの屋根、入り組んだ道路、多数のドイツに関する建物など街並みの特徴を見て、感じることができた。また、茶芸体験では、日本のお茶との作り方・風味の違いを感じたし、お茶という文化は共通であるということが分かった。八大関歴史別荘区では、多くの別荘、結婚式前の撮影場を見た。日本では、別荘区という言葉は聞いたことがないし、私自身そこまで多くの別荘を見たことがない。なぜ、この地に別荘が多いのか、どのような歴史があるのかという疑問を持った。また、企業視察に関しては、UNIQLOでは、企業における日本との共通点、相違点を学んだ。共通点としては、企業が欲しがる人材、女性のミシン作業、相違点としては、賃金、労働時間が考えられる。その他の点に関しては、中国では子ども・高齢者に対して皆とても親切であること、環境面への政府の対応が徐々によくなってきていることなど日本にいた時には思いもしなかった事実を知ることができた。さらに、イオンでは、尖閣諸島の領土問題が激しく議論されていた時に、日本の企業としてターゲットとなり、壊滅状態になったということがとても印象に残った。日本のニュースでも目にしたが、それは事実であり、多くの人に大ダメージを与える結果になったと考えられる。中国において、企業を展開していく上での苦労なども聞くことができた。最後に中国海洋大学の学生との交流についてであるが、自分自身中国語は勉強不足であったし、中国に来て、ほとんど日本語で会話したことで、相手に対して申し訳なく感じた。しかしながら、日本語であったため、自分の意見をしっかり伝えることができたし、そこで新たな学びがあった。日本のドラマから日本に対するいいイメージを持つようになった、日本では先生が生徒に親切、中国において子どもは皇帝であるということなどが挙げられる。この場で私は日本と中国の共通点について話し合った結果、漢字、芸術、友好、前に進む自信という四つが挙がった。年齢の近い中国の学生とこのような会話ができ、本当によい機会であった。

 ここからは韓国について述べようと思う。青島とは対照的に釜山という地名は何度か聞いたことがあったにも関わらず、歴史や文化などは全く知らなかった。釜山は国際貿易港として古くから西部ヨーロッパの国々と往来する玄関の役割を果たしており、人口も多く、貿易・商工業の中心地として発展していること、日朝修好条規によって開港された港であり、青島同様日本と関わりが深いということを初めて知った。実際に韓国に訪れて、まず歴史博物館に行ったのであるが、そこで上映されていたビデオに驚いた。日本人は自分が住んでいたところだけを発展させた、日本人は私たちのお米を奪ったなどというメッセージが流れ、これを見た人は皆、日本という国、また日本人は悪いと思うであろう作りになっていたのである。これを見て、釜山の人たちは日本人をあまり肯定的には捉えていないのか、と感じた。このような映像を今後もずっと流すことで、相互理解につながるのかもしれないが、両国の友好関係に発展するとは考えられない。もう一度考える必要があるのではないかと思った。次の市場においては、日本語を話す方も多く、コミュニケーションを取りやすいし、日本の東京や大阪のような明るい雰囲気であった。さらに、釜山国立博物館を訪問して、歴史の教科書に載っているような日本と似た土器や絵画が展示されていた。私はこのような博物館には初めて訪れたが、古来の釜山ではこのような物があったのか、このような生活を送っていたのか、というように多くの展示物を見て、感じるものがあった。その中には、日本が関連している戦の様子が描かれたものもあり、日本が行ったことを少し知ることができたし、自分がそのような出来事に無関心であると実感させられた。その後の茶芸体験では、日本とよく似ているのではないかと感じた。部屋への入り方から始まって、片付けまで行ったが、細かい決まり事があり、そこにはその地方の風習などが影響しているのであろう。海外に来て、このような伝統文化を実際に行うことができて、よい経験になったし、他国の文化を尊重し、自国の文化にも参考にできる点があるのではないかと感じた。ルノーサムスンの企業視察では、機械の重要さをとても感じさせられた。多くの機械の利用は、人件費の削減、正確な製品の生産へとつながる。その機械は私が考えていた以上に、精密で、車の生産の中心となっていた。このように、この工場における機械の役割は大きく、これなしでは行うことができない状況となっている。また、その機械が生産する車として四種類挙がっていた。この四種類ということに目をつけるとほどよい数字であると思う。多すぎると、一つ一つの機械がその車の種類の数だけの動きを記憶し、作動しなければならない。一方で、少なすぎると、ある一定の顧客の満足度にしか達さず、会社として利益があまり出ないことが考えられる。これも企業としての1つの作戦なのではないだろうか。最後に東義大学の学生と交流して、日本のよい点として、きれい・親切という言葉が挙がっていた。これはよく言われることであり、私自身誇らしく思う。一方で、日本の悪い点として、若者の政治的無関心が挙がっていた。自分自身も若者であるため、この問題に深く関わるのだが、私自身は新聞や雑誌を読んで、政治に関心を持とうとしている。しかし、日本全体を見ると、そのような若者は少なく、問題となっているのである。自分の一票が日本の政治に本当に反映されているのか、実感を得ることができない、そして政治家の不祥事などにより信頼できないなど様々な理由があるが、もう少し政治に関心を持つことも必要なのではないかと感じた。

 今回「共通善」を見つけるためのワークショップであったが、様々な場所を訪れ、ディスカッションを行っていく中で、少し自分としての答えを見つけることができたのではないかと感じる。実際に訪れてみないと、分からないこと、感じることができないことはとても多くあり、マスメディアによって、考えを押し付けられている現代にあって、とても貴重な機会だったと感じた。また、同年代の中国、韓国の学生と交流することで、日本人の特徴や自分たちに足りないもの、逆に自分たちが優れていることなど普段は当たり前だと思い、考えることのない事柄に、もう一度向き合うことができた。最後に、様々な学部から集まったこの22人で、同じ課題を追及すべく研修を行い、同じ日本人であるが、異なる意見を知ることもできたし、たった一週間ではあったが、とても仲良くなることができた。このつながりを大切にし、これからも日中韓の相互理解、新たな共通善について考えていこうと思う。

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