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2014 CA 中韓ワークショップレポート

 私が今回のワークショップに参加したいと思った理由は、実際に中国と韓国を訪れて自分の目で両国の社会を知りたいと思ったことと、これからの日本との関係についてどうするのがよいか自分なりに深く考えるきっかけにしたいと思ったからである。中国や韓国の文化を知ることができるだけでなく、現地の学生との交流や企業を訪問できるのはめったにできないチャンスだと思った。実際に参加してみて、想像していたよりもはるかに多くのことを学び考えることができ、本当に充実した一週間だった。

 まずは初めに訪れた中国について考えたことを述べたいと思う。このワークショップに参加することが決まると、両親や友人に中国に行っても大丈夫なのかと心配され、私自身も不安はあった。その理由は大気汚染や食事など普段からニュースで話題になっていたからである。しかしそのことが本当なのか確かめたい気持ちが強く、不安よりも好奇心の方が強かった。今回初めて中国に行って、たった3日間の滞在だったが驚きの連続だった。交通ルールは車優先の危険なものだったり、お湯が出なかったりと日本ではありえないようなことが目の前で平然と起こっていた。ただこんなことが起きるのだと知っているだけだと、日本に比べて良くないと思ってしまうが、何度か体験したことでこの豪快さが中国であり文化なので、何でも日本と比べることは違うのだろうと思った。

 日本と取引をしている中国の会社や日系企業を訪問して、日本と中国の政治的問題が経済にどれくらい影響しているのか知ることができた。日本にとって中国は他の国と比べて最低賃金が上がっていて人件費がかかるが、それを上回るほど納入の安定性や品質、距離的近さに魅力があり大切な貿易相手なのだと分かった。たとえ政治的に対立することがあっても経済の面ではお互いに利益を得られる関係を維持していこうとする姿勢が見受けられた。しかし、直接取引をしている関係ならば政治と経済を分離して考えているが、青島イオンを訪問して尖閣諸島問題によって黄島店が破壊された様子を見て、反日デモにより大きな損失を受けたことが分かった。中国で経済活動をしたいと思ってもデモなどによって阻害されるために積極的になれないのは、日本にとっても活動の幅が狭まるし中国にとっても市場が活発にならないのでお互いに良くない流れだと思う。日本と中国が発展するために私たちが政治や国に対してのマイナスなイメージを経済の方面とは区別することが大切だと思った。

 中国海洋大学の日本語を勉強している学生と交流をして、印象に残ったのは中国の学生はとても勉強熱心で気さくに話してくれたことである。勉強に熱心に取り組んでいたり日本の生活について興味を持ってくれていて、同じ学生として見習うべきところが多く見つかった。また、中国で反日デモが行われているなど日本に対して悪いイメージを持っているのか気になったが、メディアが報じるような反日感情は持っていないように感じた。これは学生だけでなく町で出会った人たちも親切に接してくれてとても嬉しかったし、良いイメージを持つことができた。

 今回中国に3日間滞在して、出発するまでの中国に対するイメージと実際に体験した中国の文化や人々とのふれあいで感じたことにかなり違いがあると分かった。中国に行くまではほとんどの中国についての情報をメディアから取り入れていた。日本に対して反感意識が強いのではないかと思っていたが、メディアが大きく報じるほど一般の人々で日中対立はなく、親しみやすいと感じた。外国について知るためにメディアを頼るのは仕方ないことであるが、全て正しいとは限らず自分で判断しなくてはいけないと思った。そして、今回中国で体験したことを新しくメディアの判断基準にすることができると思う。

 次に韓国に訪れて考えたことを述べたいと思う。中国の後に訪問して、韓国の方が町の雰囲気が日本に近い印象を受けた。買い物や食事をしようと店に入ると日本語を話せる人が結構いて、中国ほど言葉が伝わらずに困ることはなかった。日本語が通じるだけで少し親近感がもてて安心できたし、外国にいるのに新鮮さというよりも親しみやすさを感じたのはやはり昔から日本と強くつながりがあったからなのかもしれないと思った。

 釜山近代歴史館と釜山市立博物館の二つの施設に行き、釜山の歴史について学んだ。釜山は韓国の南に位置しているので、朝鮮通信使や豊臣秀吉の朝鮮出兵、太平洋戦争など日本との関わりが特に強い地域であることが分かった。見学して驚いたのは、戦時の日本が韓国を攻めたときの資料が多く展示されていたことである。私は中学高校と日本史を勉強してきたが、戦争についてあまり詳しく勉強していなかったので、戦争中の出来事についてたくさん知る機会があまりなかった。日本が韓国を攻めて現地の人の生活を困難にしたこと、今も問題になっている慰安婦などについての展示があった。これまで歴史を勉強するときはもちろん日本の視点から出来事を捉えてきたが、今回同じ時代の歴史について韓国の視点からどう捉えているのかを知ることができた。韓国は日本に比べて歴史について意識が高く主張しているのはなぜなのか気になっていた。韓国が戦争で日本から被害を受けた側であることも関係あると思うが、今回博物館の施設では日本からひどい被害を受けたのだという強いメッセージが受け取れる展示があり、人々が戦争の歴史を身近に感じられるような環境があるからでなないかと思った。そして、展示の内容はとにかく日本から様々な攻撃を受け、植民地にされたと記されていて、日本の悪いことばかりが書かれていて日本が韓国を攻めたことは歴史上の事実だが、韓国の被害感情が上乗せされているのではないかと複雑な気持ちになったし、このような歴史の教育を受ければ反日の感情が起きるのも納得できると思った。今回、韓国から見た戦時中について知ることができたので、また日本でもう一度歴史について学び直さないといけないと思った。

 韓国の東義大学で日本語を勉強している学生と交流をして、お互いの国について思っていることを質問したりした。私たちのグループと話す担当になった学生さんは、私と同じ大学2回生でまだあまり日本語をうまく話せないながらも一生懸命に伝えようとしてくれた。私は韓国語がほとんど話せないまま参加して、交流するのに相手の語学力を頼りにしているだけだったので、もっと勉強しておけばよかった。どうして日本語を習い始めたのかを質問すると、日本のアイドルグループが好きで興味を持ったのだと話してくれた。私の友人は逆に韓国のアイドルが好きで韓国語を勉強し始めたので、お互いが交流するのに両国の文化が大きな役割を果たしているのだと感じた。私も韓国に訪れて、韓国ならではの食文化がとても気に入ったし、博物館では伝統衣装の色がきれいなチマチョゴリを着ることができてとても嬉しかった。これから韓国についてもっと知りたいと思うようになったし、相互理解をするためには相手の文化を積極的に知り尊重することが大事な一歩ではないかと思った。

 以上のようなたくさんの体験を通して、私が考える日本、中国、韓国の共通善は3か国が抱える歴史や政治的問題と経済協力や文化交流を区別して理解することではないかと思った。それぞれに発展していくために、アジアを引っ張っていく存在として歴史、政治問題は正面から取り組む必要があるが、それによって起こる対立感情とは区別して積極的に経済や文化の面で協力することがどの国にとっても良いことだと思う。だが、まだまだ中国や韓国について知らないことがたくさんあるので、これが最終的な自分の答えではないと思っている。

 一週間かけて中国の青島、韓国の釜山を訪問したが、今まで自分が中国と韓国について知っていたことをしのぐほど、自分の目で2つの国を見て聞いて感じたことがとても印象に残っている。この経験を生かしてこれからも3国間のことについてもっと知りたいと思ったし、共通善とは何なのか考えを深めたいと思った。今回のワークショップがなければこのようなことは考えなかったと思うし、参加することができてアジアについて考える自分の糧になった。

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