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2014CA中韓ワークショップレポート

今回の日中韓ワークショップは共通善がテーマであった。共通善とは何か。それは個人の利益の追求と共通する社会の利益の追求の間のバランスをとること、正義の追求だと学んだ。最初に、ワークショップ前に渡された冊子を読んだ際に、共通善の意味を理解はできたが具体的イメージは浮かばなかった。しかし、中国、韓国における8日間のワークショップで様々なことを体験しその具体的なイメージが浮かんできた。共通善をテーマにワークショップで学んだことは、日中韓の間に存在する問題、日中韓の交流、日中韓の問題を解決するための方法、そのために自分ができることである。それらについてこれから述べようと思う。

 

 まず、日中韓の間に存在する問題(歴史的問題、反日感情、経済問題)について述べる。まず歴史的問題についてだが、ワークショップ中には何回か博物館を訪問することができた。博物館では、中国、韓国側の立場からの歴史の捉え方を知ることができた。例えば、韓国の釜山の博物館では日韓の歴史、主に日本による釜山における従軍慰安婦、植民地化、皇民化教育の歴史を学んだ。そこでは、「日帝」、「意地悪な憲兵」、「日本による土地、米の収奪」など日本の教科書では使用されていないような表現の仕方を見かけた。また、博物館のロビーには竹島のテレビ中継の映像が流れており、その横には独島は韓国のものだと言った意味のスローガンが書かれたポスターが貼ってあった。また、他の博物館では、皇民化教育により創氏改名、日本語教育を強要された韓国人のボランティア職員の方からお話を伺うことができた。その方は日本語の若者が歴史を知らなさすぎると言われていた。私は、テレビでよく反日デモを中国、韓国で行われている映像を見るたびになぜここまで攻撃的になっているのか理解ができず冷めた目で見ていた。私としては、過去にあったことは変えられないのであるから、これから自分たちにできることは友好的な交流であり歴史問題にいつまでもこだわり対立することではないと思っていた。しかし、このワークショップで彼らがどれほど日本にされたことや歴史に敏感であるか、領土問題についてどれほど真剣であるかが伝わった。次に経済問題についてであるが、このような歴史的側面での問題が日中韓の経済面での関係に影響を与えている。例えば、青島にあるイオンのショッピングモールでは反日デモが起き、ショッピングモールが襲撃され壊滅的状況となった。そのほかの経済的面での問題は、日系企業の女性の社会進出がある。中国の学生と交流する中で女性の学生に日系企業に就職したいか尋ねたところ、就職したくないと言われた。なぜなら、日系企業は女性が昇進しにくく、育児後に再び同じポジションに戻ることが難しいからだそうだ。このような日本の伝統的な価値観が中国、韓国での女性の社会進出を拒んでいるのであれば勿体無いことだと感じた。このように日中韓は常に対立しているように見えるが、実際はそうでもないということも企業視察を通して学んだ。日中韓は経済的面では友好な関係を築いておりお互いが最大あるいは二番目の輸出、輸入先国である。また、青島のユニクロの代表の方のお話によると、日中は技術を共有しており地理的にも近いので納期が守りやすく、人件費の安い東南アジアの国々が日本と経済面で結び付き始めている中、未だに中国は日本と最も密接な関係にあるとのことだ。また、韓国のルノーサムスン自動車工場の代表の方にも、日本企業の日産がサムスンと株式を共有しており技術も共有していると伺った。このように日中韓は経済面では活発に交流している。

 

 次に、日中韓が抱えている問題を解決する方法とは何かについて述べる。ユニクロの代表の方、中国海洋大学の教授、韓国の東義大学の教授の言葉である「尊重」、「相互理解」、「ポジティブ」がキーワードだと私は思う。それらの言葉が意味することは、相手を尊重し理解しようと努力すること、歴史観の違いや文化の違いから生じる問題に対してポジティブな姿勢をとることが重要であるということだ。また、中国、韓国の事を尊重し理解しようとするためには日中韓の歴史を学ぶ必要がある。それに加え、中韓の歴史観についても学ぶ必要がある。また、文化を知るためにはその国に行きその国の文化に直接触れる必要がある。そのような学び、経験を通して、その違いを拒絶するのではなく、興味深いと肯定的に受け容れることで両者がお互いを理解し尊重し良好な関係を築ける。

 

 問題解決のために言語の学習も必要である。なぜなら中国語、韓国語を学べば直接自分で情報を手にいれ判断することができるからだ。メディアは時に扇情的、誇張的な翻訳を行い政治的に人々を誘導する。よって自分で判断するために言語学習は必要だ。それに加えて、言語は我々の思考様式を作っており文化と深く関わっているのでお互いの文化、価値観を知る上でも言語の学習は大切である。また中国や韓国の方とあった時に彼らの言語が話せたら、彼らが親しみを感じるに違いない。

 

 それに加えて問題解決のために重要なことは、東義大学の教授が話されたように昔の日韓の間で行われていた朝鮮通信使のように、日中韓の友好関係を気づくために積極的に日中韓の人が両者の国を訪れ交流すべきだ。そうすることで、国対国という抽象的な関係でなく、個人対個人という具体的な関係において、交流でき個人が持つ誤った各国に対するイメージを払拭でき、一人一人が日中韓の関係について考えをめぐらせ、共通善について考えるきっかけとなる。そして、留学生や外国人との交流では、文化の違いを知ることもさることながら、お互いが抱えている共通の課題について話すべきである。ただ遊ぶだけの表面的な付き合いではなく本当に深い関係を築くためにはそのような論争的な問題についても話し相手の立場を理解する必要がある。

 

 そのような海外体験の他に、自分の教養を深めることも重要である。博物館のボランティアの方がおっしゃったように私たち若者は歴史に無関心で無知である。自分で書物を漁り、学習し批判的な視点で物事を判断できるようになるべきだ。

 

 次に、私が共通善のためにできることは何かについて述べる。私は将来教育関係の仕事に従事したいと考えている。よって、教育の現場で教師として生徒に共通善のために何ができるのかについて考えた。私が今回のワークショップで思ったのは、このような体験が知的好奇心旺盛で自分の価値観が決まる小、中、高校時代にできたら良かったのにと思った。そうすれば、もっと日中韓のことについて考え、歴史や経済に興味を持ち学んでいたはずだ。よって、教師として学生が日中韓の関係について考える授業や機会を設けること、中国、韓国人の方と実際に交流する機会を設けること、実際に学生が中国、韓国に行き文化、歴史を学び現地の学生と交流し直接経験する今回のワークショップのような機会を設けることをしたいと考えた。こうして早い段階から日中韓の共通善とは何かについて考えれば、メディアの影響を受け日本側の立場だけに立ったような視点でしか物事を考えられない人間はできない。また、そもそも中国、韓国に興味がない学生も多いのでそのような学生に関心を持たせるきっかけとなるだろう。また、そのような将来の自分のために今の自分がやるべきことは、海外体験を積むことと留学生と交流することである。海外体験といってもただ海外に旅行に行くことではない。もともと海外に興味があり旅行で何カ国か行ったことがあるが観光地を巡りその国の料理を食べていただけであった。そのような海外体験ではその国の肯定的な面しか見ることができず、その国が抱えている問題、その国と日本が抱えている問題について学び、現地の人と交わり相手の立場を知ることはできない。そのような体験ができるように今後は積極的に大学のプログラムや自分で外部の海外派遣プログラムに参加していきたい。また、留学生との交流でもただご飯をたべたり、一緒に旅行に行ったりするだけではない。留学生と文化の違い、歴史観の違い、価値観の違いについて話し、自分たちが歴史、経済、政治面において世界でおかれている状況について話し合いたい。そのような体験は、将来自分が教師になった際に自分の体験や思いを学生に伝える際に役に立つ。またそれ以外にも今私の周りにいる岡山大学の他の学生にも伝えることができ彼らに日中韓について興味を持たせることも自分ができることである。

 歴史的にも政治的にも問題を抱えている日中韓ではあるが経済的には密接な関係であり切っても切れない。その中で、日中韓の関係が良好なものとなるように引き続き自分が実際に交流をして共通善とは何かについて考えていきたい。今回のワークショップはそのきっかけとして非常に貴重な体験となった。10003031_736593709708178_1903589850_n

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