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韓国・中国への留学を通して

私は去年の2月末から約1年間韓国の成均館大学に留学していた。元々韓国の文化が好きで、韓国語を学び始めたのだが、岡山大学に来ていた留学生と仲良くなり、さらに韓国への関心が深まった。その留学生はとても流暢に日本語と韓国語を操っており、純粋に彼女に憧れていた。私は1回生の夏に韓国への短期研修に参加したのだが、そのときは授業が始まる直前に先生が言う「みなさん」という単語すら分からなかった。そんな私が1年間韓国へ留学を果たし、流暢とは言えないが、日常会話程度はこなせるようになったのは、その留学生との出会いがあったからだと思う。実は、留学をすると決意した後、親にそのことを話すと、父には反対された。父が私の留学に反対したのは、韓国と日本の間には歴史的な葛藤があること、そして英語の方が将来的に役に立つのではないかと考えたからであった。そんな父に、今まで仲良くしてくれた韓国人の友達の話をし、今現在、サムソンやロッテなどの韓国企業がどれほど世界に影響を及ぼしているかということを長文のメールで送り、説得した。正直なところ、メディアを通しての韓国の人々の日本へのイメージを考えると、不安は全くなかったわけではないが、自分が韓国をすきなのだから行くしかないと思った。そのときは不安よりも期待のほうが大きかった。

韓国での1年間を振り返ると、本当に楽しかった思い出しか思い浮かばない。岡山大学から同時期に派遣された学生がとても良い人たちだったことに加え、周りの人々にも恵まれていた。外国人登録証を作りに行くときも、プリペイドの携帯を作りに行くときも、韓国語が不慣れな私たちのために韓国人の友達が付いてきてくれた。外国人登録証を作りに行ったときは、4時間待った挙句、書類に不備があり、もう一度行かなければならなくなったのに、嫌な顔せずまたもう一度付いてきてくれた。その際は、その友達の情の厚さに、申し訳なさとともに、感動した。韓国にいて感じたことは、韓国人はフレンドリーで情に厚い人々が多いということだ。日本人と比べるとはじめは笑顔が少なく、怖いと感じることもあったが、仲良くなると本当に親切にしてくれる。お店のおばさんとも顔見知りになると、毎回話しかけてくれ、おかずをサービスしてくれたり、留学生寮のおじさんとも世間話をしたり、パンをもらったり、親しくなってからの韓国人の優しさには感動した。留学に行く前は、反日感情のせいで、もしかするとひどいことを言われるかもしれないという覚悟もしていたが、1年間の留学生活のなかでは、そのようなことは一度もなかった。むしろ、日本のアニメや漫画、ドラマや映画は韓国でも人気があり、私が日本人だと分かると、知っている日本語を使い、話しかけてくれる人がたくさんいた。もちろんなかには日本に対してあまり良いイメージを持っていない人々もいるかもしれないが、メディアを通して見る韓国と、私が実際に見た韓国は全く違っていた。また、留学前は見た目が似ているし、お隣の国だから日本人と同じような思考回路を持っているのだろうと思い込んでいたのだが、実際は全然違っていた。日本人は感情をあまり出さないし、遠慮しがちであるが、韓国人は嫌なものは嫌とはっきり意思表示するし、積極的な人が多いと感じた。特にその差を感じたのは、大学の授業の聞き方である。日本の大学生たちはあまり前の席に座りたがらない。しかし、韓国の大学の授業では席が前から埋まっていく。韓国の学生たちは授業を熱心に聞き、教授の質問にも積極的に答える。図書館もふだんから人が多く、勉強への取り組み方には圧倒された。日本の学生もせっかく大学に通っているのだから、あのぐらいの意欲を持って、勉強に励むべきだと思った。しかし、逆に韓国での生活を送るなかで、日本の長所も見つけることができた。日本を出たからこそ分かったことだが、日本は本当に特殊な文化を持っている。それを一番感じたのは、接客態度である。韓国の店員はみんながみんなにこにこしているわけではないし、接客も雑だと感じた。仕事がなければ平気で客の前で携帯電話を触る。今では笑い話であるが、服を買わないという理由で店員から怒られたことがある。コンビニでは携帯電話で話しながらレジをされたこともあり、日本では考えられない体験をした。語学堂の授業で、韓国に来て衝撃を受けたことという題でそれぞれ意見を述べていた時に、私は接客態度のことを話した。すると、横で聞いていた中国人の友達が、「韓国人の店員はまだましだよ。中国はもっとひどい。というよりは日本の接客がすごいだけだよ。」と言われた。当たり前だと考えていたことが、一瞬にして覆った瞬間であった。日本での生活が当たり前のものではなく、それが特別なことであることに気がつくことができた。日本の良さを新たに発見でき、今まであまり持っていなかった愛国心というものが、留学を終えてやっと芽生えた。

成均館大学への1年間の留学を終え、半年が経ったこの夏、私は中国の北京師範大学に約1ヶ月間の研修に行くことにした。この研修に参加しようと思ったのは、韓国で出会った中国人の友達のおかげである。去年の夏、急速に日中関係が悪くなった際、その友達が、「私は日本が好きだから、何も知らないくせに日本を批判することが許せない。」と言ってくれた。日中関係が悪くなることは、歴史的な面においても、政治的な面においても仕方ないことだと考えていた私には、その友達が言ってくれた言葉に感動するとともに、仕方ないと諦めるのではなく、もっと真剣に日中関係に目を向けるべきであるということに気づかされた。北京での生活も韓国同様とても充実していた。特に、中国での生活においても、留学で培った韓国語を使う機会がたくさんあり、韓国へ留学していて良かったと感じた。私の留学生寮でのルームメイトが韓国人であったからだ。私が韓国への留学経験があったため、コミュニケーションを取る際にもさほど苦労せず、楽しく過ごすことができた。出会って間もないにもかかわらず、おいしいお店に連れて行ってくれたり、観光案内をしてくれたり、言葉では表せないほどよくしてくれた。日本ではあまり使う機会のなかった韓国語を久しぶりに使えたこと、韓国語でコミュニケーションを取れたことが自分の自信につながった。韓国語を勉強していて良かったと心から思った。

韓国留学、中国短期研修を通じて、さらにこの二カ国についての知識を深めたいと思った。私にとって韓国は第二の故郷である。中国へのイメージも今回の短期研修を通して一気に変わった。メディアを通してのイメージとはどちらも全く異なっていた。お互いが憎みあうのではなく、協力しあうことは、アジアの発展につながる。少子高齢化を迎える日本や韓国は、労働力の豊富な中国と協力しあうことで、その危機を脱するほかない。歴史的な部分の問題はそう簡単には解決できないが、歴史と国家関係を結び付けてはいけないと思う。私にできることは、その国を実際に自分の目で見つめ、体で感じ、理解することだと思う。歴史が残した爪あとをすぐさま拭い去ることはできないが、少しずつでいいから、その国の本当の姿を見て、安易に批判に走らないようにすべきだと思う。今後の課題は語学面である。私は語学が好きなので、まずは語学を習得し、そこから交流を広げていきたい。いつか、お互いがお互いの国を何のしがらみもなく見られる日が来るのを信じたい。そのためにも私ができるだけ多くの人々に韓国、中国、そして母国である日本の良さを伝えられるような架け橋になりたい。

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