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短期留学プログラム

 

中韓ワークショップ

<事前学習での問題意識>

 事前学習で私は「中国・韓国における環境問題」について問題意識を持った。その中でも特に大気汚染に関心があったため、「日本における公害問題」、「中国・韓国における大気汚染」、「PM2.5等の越境問題」について事前学習を行った。その結果、韓国では汚染物質のほとんどが中国に由来するものだと考えられていたが、約6割が韓国国内で排出されていたこと、中国の都心部では濃いスモッグが見られること等の知識を得た。また、PM2.5の危険性についても学んだため、大気汚染が深刻であろう中国・韓国滞在中はマスクが欠かせないだろうと考えていた。

 しかし実際に訪れてみると、ソウルは、少し空気が霞んでいるように見える程度であり、長春では、ソウルの空気に慣れてしまったためか空気が霞んでいるかどうかさえ気にならなかった。特に「中国では大気汚染が深刻であるから、マスクをして出かけなければいけない」と思っていたため、とても驚いた。大気汚染について吉林大学の学生に聞いてみると、「冬に入ったばかりの時期や都会である北京・上海では問題となるが、田舎である長春は今の時期は大気汚染について特に感じない」とのことだった。

実際に大気汚染に関する施設に行くことができなかったため、現地では主に学生交流でしか情報を得ることができなかったことが悔やまれる。

 

<ワークショップ中に生まれた問題意識>

 主に2つある。1つ目は両国の「ごみ問題」についてである。この問題意識を持ったきっかけは、ソウルの街中で明らかにごみ置き場ではないところにごみがたくさん捨てられている光景(図1)を見たこと、韓国で江南資源回収施設(ごみ処理施設)の見学に行ったことである。

 江南資源回収施設はソウル市に4つある資源回収施設のうちの1つで、ごみを燃やした熱で電気を作っているそうだ。ソウル市には指定のごみ袋があり、瓶・缶・ペットボトル・燃えないごみ・燃えるごみ・生ごみ等、それぞれ袋の種類が異なる。この説明を聞いた際、韓国は分別にとても力を入れていると感じたが、施設の方の話では「分別に対する市民の意識は昔より高まっているが日本ほど高くはない」とのことだった。街中で見かけたごみ袋の山が、市民の分別に対する意識が日本より低いということを表しているのかもしれない。

図1.ソウルで見かけたごみの山

 また、吉林大学の学生に、中国人の分別に対する意識の高さを聞いてみると、日本・韓国と比べて低いと教えてくれた。実際、長春で私たちが宿泊した吉林大学の寮のごみ箱は分別されている様子はなかった。

 問題意識の2つ目は料理についてである。長春滞在中に「なぜ寒い地方の料理は塩辛いのか」「なぜ韓国料理屋が多いのか」という二つの疑問を抱いた。塩辛さに関しては、日本の東北地方の料理も味付けが濃い、という共通点があると感じたため疑問に思った。これについて調べた結果、「塩分摂取によって体温を維持するため」、「食料の保存方法として漬物をつけていたため」であると分かった。また、韓国料理屋の多さについては、東北地方に朝鮮族が多いためであると私は予想したが、現地の方によると長春と韓国は近いため、韓国の企業が長春に多くあること、韓国人留学生が多いことが要因であるそうだ。伝統料理にはその土地の歴史や気候による特徴が表れていて面白いと感じた。

 

<韓国で学んだこと・感じたこと>

・「英語・韓国語をもっと学ばなくては」と刺激を受けた。私は1年間初修外国語として韓国語を履修していたが、店員の方等と韓国語で会話をしようとしてもほとんど聞き取ることができなかった。そのため今回の研修で、韓国語において聞き取りが自分の課題点だと発見することができた。研修前から来年度も韓国語を履修しようと思っていたのだが、韓国語の勉強へのやる気がさらに上がった。

 韓国語で意思疎通を図るのが難しかったため、ソウル滞在中は現地の方々と英語で会話をしていた(日本人観光客が多い場所では、日本語の話せる店員の方と日本語で会話していたが)。地元に根付いたスーパーでは英語が通じなかったが、カフェではこちらが英語で注文すると店員の方が流暢な英語で返してくださった。母国語でないのにもかかわらず、とっさに英語が出てくるのは見習わなくてはと思った。またTCSを訪れ、少人数のグループに分かれてお話を伺った際、TCSの韓国人の方が英語でお話して下さった。その時話してくださることは聞き取ることができたが、自分の意見や将来のやりたいことについてを英語で述べるのが難しかった。英語が世界共通語だといわれているが、私は特に英会話に力を入れなくてはと感じた。

 

・「現地へ行って自分の目で見てみないと分からないことがある」と強く感じた。特に印象的だったのは、韓国で慰安婦ハルモニ(韓国での元慰安婦の方々の呼び方)を支援する企業「Marymond」を訪問した時のことだ。訪問前に、日本語でこの会社の名前を検索してみると、「反日である」等、悪いイメージが書かれたサイトばかりが上位に上がったため「危ない、怪しい会社なのか」と思っていた。しかし実際は政治的な問題とは別に、慰安婦ハルモニを支援するために、商品の売り上げの半分を、元慰安婦の支援を行うNGOに寄付している会社であった。インターネットの情報がいかに不正確な情報であるかを改めて感じた。また、サイトに、Marymondが怪しい、怖い会社かのように書き込んでいる人々は会社のことをどれだけ知っているのか、むしろあまり知らないからこそ批判できるのではないかと思った。

 

<中国で学んだこと・感じたこと>

・韓国で感じたことと少し矛盾するが、「コミュニケーションに必要なのは言語より伝えたいという気持ち」だと感じた。長春滞在初日に、寮の中にあるレストランで、英語を使って注文しようとした際、英語が通じなかった。私は中国語が全く分からないため、特に、こちらが英語で話しかけても怒っているかのように聞こえる中国語で返されることが恐怖に感じた。あまりにも通じないため、英語はあきらめて日本語とジェスチャーを使って注文するとなんとか伝わった。この時、英語を使えば世界中の人と会話ができると思い込んでいた自分の間違った考えに気が付いた。その後も、料理注文の際はジェスチャーと日本語で乗り切った。

 初日に大きな声の中国語で話しかけられた恐怖によって、「中国の人は怖い」と思ってしまったが、日が経つにつれてそれは間違いであると分かった。例えば、フードコートでラーメンを注文した際、中国語がわからない私に店員の方が漢字を紙に書いて説明して下さった。また、商品が出来上がるとレシートに書かれた数字が呼ばれるのだが、中国語であるため、何番が呼ばれているのかわからない私に対して、その店員の方は私の番が来ると手招きで教えてくれた。発音の関係や地域柄等によってきつく聞こえただけで、怒っているわけではなく、むしろ優しい方々だったと分かった。

 最終日近くなると中国語で話しかけられても、堂々とジェスチャーで会話することができた。少しでも中国語を勉強していくべきであったことは否めないが、言語より伝えたい気持ちが重要だと強く感じることができた。

 

・「日本の『あたりまえ』で考えない」ことだ。寮の部屋のバスにはもちろん浴槽はなく、カーテンレールはあるがカーテンがなかった。またシャワーをひねると茶色い水が出てきたり、お湯が出なかったり、トイレットペーパーが常備されていなかったり。長春滞在のはじめの方は日本に帰りたくて仕方がなかったが、徐々に「ないものはしょうがないからどう対応すればいいか」を考えるようになった。自分の許容範囲が広がるのを感じ、また問題に対応する力が養われた。

 

<ワークショップを通して>

 私は、中国・韓国の2か国とも訪れるのは初めてだったため、この研修の主なテーマは「中国・韓国について知る」ということだった。成均館大学・吉林大学での講義や博物館での学びによって今まで自分が思っていた中国・韓国のイメージが大きく変わった。例えば、慰安婦問題については日本のメディアからは韓国国民全員が怒っていて反日である、かのような印象を受けていたが、韓国国内でも賛成反対は分かれていることを知った。また中国でも日本にもある企業(ケンタッキーやH&M等)があって、思ったより生活水準が高いことに驚いた。吉林大学の院生の方が「いまだに日本人から『辮髪の人はいる?』『よくチャイナドレスを着ているのでしょう?』と言われることがあるが、私たちだって洋服を着ているし、日本とそれほど変わらないような生活をしている。実際に現地に来たらその考えは間違っているとすぐ気づくことができるのに。」とおっしゃっていた。私も「百聞は一見に如かず」というその意見に賛成で、現地に赴いて自分の目で見ることが大切であると感じた。また、研修が終わりに近づくにつれて、計11日間という短い期間ではなくもっと長く滞在して中韓両国をもっとたくさん自分の目で見たいと思った。

そのほかにも、今回の研修中に中韓両国それぞれと日本との歴史を学んだ際、自分には中学の時の歴史と高校で少しだけ学んだ世界史の知識しかないことに気が付いた。近隣国であるのに興味をもって勉強してこなかった自分を恥ずかしく思った。今後は、積極的に中国・韓国についての情報を、批判的思考とともに見るようにしたい。

韓国滞在中と中国滞在中で英語に対する矛盾した思いを感じたが、コミュニケーションの手段として英語は重要であることには変わりない。「英語は世界中の誰とでも通じる言語」という思い込みは捨てて、英語を学習していきたい。

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